10

頭には跳ねっ毛。髪は肩に届くくらいの黒セミロング。

目にやる気が無い、でも可愛い少女がいた。

諸事情により、彼女との関係は省くが

まぁご自由に邪推してくれて構わない。

そんな中、何故か彼女が僕の部屋に上がりこんでいた。



「何故僕の部屋にいるのか、二十五字以上五十字以下で趣旨を明確にして答えよ。」

「何故私のゲームがここにあるのか、三字以上二字以下で趣旨を濁しつつ答えよ。」

「無理っ!」

言ったそばから、僕の上に彼女が乗っていた。

「もう少しでラスボスだと思ってた直前で無くなって探してたんだから!」

昔は全然ゲームに興味なかった彼女の 怒り 攻撃。

僕は 背中に やわらかいものを 感じた。

「いや、いやいやいや、マジでごめんって。ゲーム取ったりなんてしないし。」

それ以前に背中にやわらかいものが乗ってるのをどうにかして欲しい。

じゃないと理性とか欲望とか感情とか精神とか息子とか

もうそういうのじゃなくてなんだよこのもう我慢とかねぇちくしょうやわらかい。

ちなみに今の体勢を図で表すと、って図が無い!

仕方が無いので想像にお任せしよう。

「というか待て待て待て。」

僕は彼女に敷かれながらなだめた。

「それは、こないだ忘れて置いていったやつだぞ。」

「そう・・・だっけ、それなら許してあげるよ。」

何故僕が許される立場に立っているのかが謎なのだが、

とりあえず彼女が僕の部屋にいる理由を聞こうと思った。

「うん、コレを返すためだよ。」

そう言って、彼女が僕に渡したものは・・・

「うあ、これ僕がもう少しでクリアだったやつじゃん!」

「で、代わりと言っちゃ何だけどさっきのを置いていったんだよ。」

凄くにこやかに

「ってこれがあるのって私のせいじゃん、てへり。」

無感情に笑っている。

基本的に、彼女に対して怒らない僕だけど

この時ばかりは流石に無いって思ったね。

「今度こんなことしたら・・・」

「したら?」

「ぼうけんのしょはきえてしまいました、って毎日メールで打つからな・・・!」

「すっごい地味・・・。」

どうせ僕は甘いですよ。

「それで、本題なんだけど」

彼女が急に言った。

「明日から、私の妹が家に来ることになったんだよ。」

「へぇ、妹さんねぇ。」

いることすら僕は知らなかった訳なのだが。

話からして離れて暮らしていたのだろうか。

「あぁ、家って、こっちの家だよ。」

「マジでっ!?」

「つづくよ。」

「何だよそれっ!?」


[戻る]