18

頭には跳ねっ毛。髪は肩に届くくらいの黒のセミロング。

目にやる気がちょっと無い、でも可愛い少女がいた。

諸事情により、彼女との関係は省くが

まぁご自由に邪推してくれて構わない。

慣れというのは怖いものだ、とつくづく思う。



「いつもあるものが無くなると、びっくりするものさ。」

学校での一会話。これだけ取り出すとまぁありがちな風景なのだが、

僕が最初に語っているという所が果てしなくレアリティを飽和してないだろうか。

「・・・どういうこと?」

いつもは質問をされる側の彼女が、今回はする側に回っていた。

「いや、ものすごい個人的な僕の比喩。」

「よくわからないよ。」

呆れられた。

「つまりこういうことなんだ。」

僕は説明することにした。

「かれこれ10回とか20回とか同じように繰り返していたものが急に変わっていたとして」

僕は彼女の方を見て

「一体その違和感に気づいた人がどれくらいいるのかっていう話なんだよ。」

「何の話・・・?」

「いや、何でもないんだ。」

言えたものではない。

「まぁ、ヒントを出すなら最初の4行ってとこかな。」

さすがに自分の思ってる事を直接口に出すのは憚られるわけです。

「んー、よくわからないけど言える事があるんだよ。」

彼女はそう言って僕の方を見た。

「既にそこは何回か変わってる事があったよ。」

よくわからないという彼女の言葉が嘘だというのは、よくわかった。


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