19

頭には跳ねっ毛。髪は肩に届くくらいの黒セミロング。

目にやる気が無い、でも可愛い少女がいた。

諸事情により、彼女との関係は省くが

まぁご自由に邪推してくれて構わない。

人間、何かしら弱点は持っているものだ。



「私ですか?えっと・・・生身の魚が苦手です♪」

♪マークを付けると苦手に見えないのが不思議だ。

と、好きなものや嫌いなものの話題になったのだが。

「時計の針の音が苦手だよ。」

「ニューハーフが苦手なんだ。」

各自わけのわからないものが苦手らしい。

ちなみに僕のボケは普通にスルーされた。

「今一個増えた。無視されるのが苦手。」



「私ですか?えっと・・・辛いものが好きです♪ぴりからー♪」

暇人が集まれば自然とこんな話題にもなる。

「料理が好きだよ。」

「墨や炭は嫌いだな。」

「何で急に墨の話になるの・・・?」

天然気味の彼女には理解できなかったようだ。

もっとも理解してほしくはないが。



「えっと、優しそうな人が好きですね♪」

「え・・・。どんな人が好きかなんて・・・。」

ありがちな話題、だが予想外に彼女の所で言葉がとまった。

「あっれー♪どうしたんですか?答えは決まってるんじゃ・・・ニャガ!?」

奇妙な泣き声(鳴き声)を発して、妹さんは彼女の鉄拳に沈んでいた。

「ぐったりしてて、かわいい妹が、好きですよ。」

彼女は笑顔でそう言った。

どうでもいいけど、妹さんは理不尽な姉の事は好きなのだろうか。

ぐったりしてて可哀想な妹はドナドナの如く揺られていった。


[戻る]