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頭には跳ねっ毛。髪は肩に届くくらいの黒セミロング。

目にやる気が無い、でも可愛い少女がいた。

諸事情により、彼女との関係は省くが

まぁご自由に邪推してくれて構わない。

説明するのが面倒なだけなんだが。



ある晴れた日、僕は学校の屋上にいた。

「といっても誰かに呼ばれたとかそんなんじゃない、何となくだ。」

一体僕は誰に説明しているのか。

帰りの時間、いつも一緒に帰ってる方々がいなかったので

学校をブラブラしてたらどうしてか屋上にいたというわけだ。

空を見上げる、まだ青い景色。夕方の色は遠くに見える程度だ。

他に人の気配はなくて、何ともいえない気分に襲われる。

「ふぅ。」

僕はありがちに屋上のベンチに腰掛けた。

そのままだらけていた。

タバコでもあったら似合いそうなだらけっぷりだ。

いつもと違う時間に、どこか高揚感を感じる。

だが回りは穏やかで、その矛盾がどうにも心地よい。

それに今の気温は丁度良いくらいの暖かさだ。

僕は、そのベンチに横になることにした。

そのまま空を見る。横から視界に入ってくる太陽が邪魔だった。

手でそれを隠して流れる雲をひたすら見ていた。

そして気が付いたら僕はうっすらと眠っていた。



起きたら辺りは夜だった。

時間でいうと8時ごろだろうか。

「やべ・・・。」

ここまで寝ていた自分にびっくり。だけど後悔してももう意味はない。

中途半端に寝ぼけている頭を引っ張って帰ろうと屋上を後にする。

・・・はずだった。



屋上のトビラは、鍵が掛かって閉まっていた。


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