20
頭には跳ねっ毛。髪は肩に届くくらいの黒セミロング。
目にやる気が無い、でも可愛い少女がいた。
諸事情により、彼女との関係は省くが
まぁご自由に邪推してくれて構わない。
説明するのが面倒なだけなんだが。
ある晴れた日、僕は学校の屋上にいた。
「といっても誰かに呼ばれたとかそんなんじゃない、何となくだ。」
一体僕は誰に説明しているのか。
帰りの時間、いつも一緒に帰ってる方々がいなかったので
学校をブラブラしてたらどうしてか屋上にいたというわけだ。
空を見上げる、まだ青い景色。夕方の色は遠くに見える程度だ。
他に人の気配はなくて、何ともいえない気分に襲われる。
「ふぅ。」
僕はありがちに屋上のベンチに腰掛けた。
そのままだらけていた。
タバコでもあったら似合いそうなだらけっぷりだ。
いつもと違う時間に、どこか高揚感を感じる。
だが回りは穏やかで、その矛盾がどうにも心地よい。
それに今の気温は丁度良いくらいの暖かさだ。
僕は、そのベンチに横になることにした。
そのまま空を見る。横から視界に入ってくる太陽が邪魔だった。
手でそれを隠して流れる雲をひたすら見ていた。
そして気が付いたら僕はうっすらと眠っていた。
起きたら辺りは夜だった。
時間でいうと8時ごろだろうか。
「やべ・・・。」
ここまで寝ていた自分にびっくり。だけど後悔してももう意味はない。
中途半端に寝ぼけている頭を引っ張って帰ろうと屋上を後にする。
・・・はずだった。
屋上のトビラは、鍵が掛かって閉まっていた。
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