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頭には跳ねっ毛。髪は肩に届くくらいの黒セミロング。

目にやる気が無い、でも可愛い少女がいた。

諸事情により、彼女との関係は省くが

まぁご自由に邪推してくれて構わない。

で、彼女に散々馬鹿にされてる僕がいた。



朝の日差しが清々しい中、呆れ顔一つ。

「流石にそこまでだとは思わなかったんだよ・・・。」

彼女は心底かわいそうな声で僕を罵倒する。

「いや、本当に申し訳ない。」

何でこのような経緯になっているのかというと、

それは昨日の夜、僕は学校に閉じ込められていたのだ。

理由は、まぁ言わなくても察して欲しい。

そこで、トビラをぶち破って脱出しようとした際、

屋上の奥のほうから彼女が出てきたのだった。

「何してるよー!?」

感情乏しい彼女の驚いた顔がとっても滑稽だった。

というか台詞が面白かった。

「いや・・・脱出。」



そこで、鍵を持ってた彼女に取り押さえられた僕は

結局脱出することが出来たのだが。

ちなみに彼女は文化祭の準備をしていたらしい。

木材とかペンキとか、なるほど。

「でもおかしいな・・・誰もいないと思ったんだけど。」

「逆なんだよ、私達が来てた頃にはもう寝てる姿があったんだよ。」

それすなわち寝てる姿をバッチリ見られたということです。

「でも、まさかいきなりトビラを壊そうとするなんて・・・。」

そしてこれがいわゆるジト目というやつだろうか。

僕は非常に呆れられてるのかもしれない。

「携帯とか、使えばよかったんだよ。」

「あ・・・。」

閃きの神も、自分が持っているアイテムにまでは目がいかなかったようだ。


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