23

頭には跳ねっ毛。髪は肩に届くくらいの黒セミロング。

目にやる気が無い、でも可愛い少女がいた。

諸事情により、彼女との関係は省くが

まぁご自由に邪推してくれて構わない。

運命とは、廻り廻って繰り返すものである。



ある晴れた日、僕は学校の屋上にいた。

「といっても誰かに呼ばれたとかそんなんじゃない、何となくだ。」

どこかでした説明。

帰りの時間、いつも一緒に帰ってる方々がいないので

学校をブラブラしてたらどうしてか屋上にいたというわけだ。

空を見上げる、もう夕方だ。夕暮れの色は個人的に好きだ。

他に人の気配はなくて、何ともいえない気分に襲われる。

「ふぅ。」

僕はありがちに屋上のベンチに腰掛けた。

そのままだらけていた。

どこかで感じたその既知感を拭いきれない。

だが回りは穏やかだ。それは気にならなくなった。

それに今の気温は丁度良いくらいの暖かさだ。

僕は、そのベンチに横になることにした。

そのまま空を見る。

何となく、先に帰った彼女の事を考えていた。

どうにも文化祭の幹事か何かで早く帰らなくてはいけなかったらしい。

そんな風な事を考えていたら、僕はうっすらと眠っていた。



起きたら辺りは夜だった。

時間でいうと8時ごろだろうか。

「やべ・・・。」

ここまで寝ていた自分にびっくり。またかと思っても意味はない。

中途半端に寝ぼけている頭を引っ張って帰ろうと屋上を後にする。

・・・はずだった。



屋上のトビラは、無情にも閉まっていた。


[戻る]