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頭には跳ねっ毛。髪は肩に届くくらいの黒セミロング。
目にやる気が無い、でも可愛い少女がいた。
諸事情により、彼女との関係は省くが
まぁご自由に邪推してくれて構わない。
だが、彼女が助けに来てくれることはない。
と、屋上に閉じ込められた彼は思った。
「ちくしょう・・・またかよ。」
洒落になってないぜと愚痴をこぼす。
僕は一言でいうならば、屋上に閉じ込められていた。
別に屋上でぼーっとしてたら寝てたとか、そんなありふれたやつだ。
本当の意味でありふれてて困る。
だが、わめいても脱出手段が増えるわけでもなく、
僕は過去の経験を活かして、この脱出手段を閃いた。
それが、この、「携帯、ウィズ、バッテリー0」だった。
って電源切れてるぅぅ!?
僕はそれでも何か無いかと辺りを見回した。
ハシゴがあった、だが架ける場所がなかった。
ペンキはなかった、あっても使い道がなかった。
木材もなかった、あればトビラぶち破ってたのに。
結局助けになるものは殆どなかった。
僕は最後の期待を胸に、屋上を端から端まで歩いた。
人の姿に期待した。
だが、無情という言葉が現世に必ず存在するように
つまり言うなら、誰もいなかった。
だが、一つ見つけた、コンセントだ。
よし!これで携帯復活だ!
「アダプタが、ない!」
その叫びは屋上にいる者全てに届いた。
自分だけだが。
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