25
頭には跳ねっ毛。髪は肩に届くくらいの黒セミロング。
目にやる気が無い、でも可愛い少女がいた。
諸事情により、彼女との関係は省くが
まぁご自由に邪推してくれて構わない。
僕は夜中一人でとぼとぼと歩いていた。
夜の街を歩く僕。心は沈んだままだ。
「あ・・・。」
誰かの声がした、だけど僕は早く家に帰りたい一心だった。
帰って思いっきり泣きたい。
そう思ってたら、急に立ちふさがる影が見えた。彼女だ。
「心配、したんだよ・・・?」
心なしか、目が潤んでるように見える。
そうか、僕がそこまで心配させてしまったのか。
「ごめん・・・また、やっちゃった。」
彼女にそんな表情をさせたことを悔いるように、僕は懺悔でもするかのように
何があったのかを告げることにした。
「というわけで、屋上にまた閉じ込められたんだ。」
「バカ・・・なんだよ、もう。」
そう批難する彼女の声にいつもの勢いはなかった。
「でも、どうして出られたの・・・?」
「あぁ・・・。」
僕はその事を思い返す。
帰って、思いっきり泣きたい。
「人間の思い込みって怖いんだ。」
「イメージ?」
彼女が問う。
「つまりね、僕は起きたとき屋上から出られないとばかり思っていた。」
言葉を繋げる。
「でも、そこが盲点だったんだ。」
そして僕は答えを告げた。
「トビラが閉まってるからって、鍵がかかってるとは限らなかったんだ。」
帰ってから、思いっきり笑われた。
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