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頭には跳ねっ毛。髪は肩に届くくらいの黒セミロング。

目にやる気が無い、でも可愛い少女がいた。

諸事情により、彼女との関係は省くが

まぁご自由に邪推してくれて構わない。

僕と彼女はどこか似てるとたまに言われる。



「といっても同じ所なんてよくわからないけど。」

曖昧なのである。

「曖昧な事は世の中にありふれてるんだよ。」

「その曖昧な事に気付かないことも多いしね。」

いや、それは曖昧とは言わないのかもしれないが

「でも、曖昧だからこそ気付かないのかもしれない。」

「例えば・・・?」

「そうだね、例えば。」

さっきから全部独り言だけど、二人で喋ってるように感じる人が

もしかしたらいるのかもしれない。

「これは、口調が曖昧だから勘違いするんじゃないのかな。」

何て哲学的な事を僕もたまには口にする。

「曖昧って言葉使いすぎ、考えすぎなんだよ。」

本物の彼女が登場した。評価は手厳しい。

「おはようございます。こんにちは。さて、午前11時現在どちらが正しいのでしょうか。」

これこそ曖昧。

「両方言えばいいんだよ。」

彼女には通用しなかった。

「大体、哲学とか言って、さっきから全然凄い事考えてないんだよ。」

今日の彼女は手厳しい。

「てぐがくを甘くみると痛い目にあうんだよ。」

なるほど、舌が回らなかったり痛い目にあうらしい。

「曖昧哲学に関してはこだわりがあるんだよ。うん」

「そっか、今後はもっと考えるよ。」

しかしよくわからない会話である。

「で、曖昧哲学っていうのは何が曖昧なのか哲学なのかわからないんだけど。」

「そこは、曖昧なんだよ。」

そこは曖昧じゃダメな気がする。


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