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頭には跳ねっ毛。髪は肩に届くくらいの黒セミロング。

目にやる気が無い、でも可愛い少女がいた。

諸事情により、彼女との関係は省くが

まぁご自由に邪推してくれて構わない。

今日も今日とて、彼女にツッコミを入れたりこき使われたり。



「最近、選挙の投票率が激減してるらしいよ。」

登校途中、いつものネタ振りで彼女が呟いた。

真面目すぎる話題に空を見る。

どうやら明日は雪が降るかもしれない。

「和の国、Japanの明日を支えるには忌々しき事体だよ。」

和だと思うなら日本と言ってやれと思う。

「そうだね、でもどうしてそんな話題を?」

「昨日いつもの教育テレビ見てたら、ついでにニュースが放送されたから見てたんだよ。」

いつも教育テレビを見てるのか。

というかついで扱いされるニュースって一体・・・。

「愛国心溢るる私として、これは黙って見過ごす訳にはいかないよ。」

だがともあれ、彼女が何故かこういう話題で盛り上がるのは珍しいので

このまま見守る事にした。

「いままで行ってなかったけど、投票にもちゃんと出るべきだと思ったよ。」

良い事を言う。そういう精神が国を良くするはずだ。

「というわけで私の名前使っていいから投票してきてよ。」

「僕がですか!?」

「投票場所遠いから・・・。」

僕の家も貴方の家のお隣です。

「まぁ、バレなければそれでいいんだけどさ・・・。」

「うんうん。」

「問題は、投票権がまだ無いって事だね。」


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