35

頭には跳ねっ毛。髪は肩に届くくらいの黒セミロング。

目にやる気が無い、でも可愛い少女がいた。

諸事情により、彼女との関係は省くが

まぁご自由に邪推してくれて構わない。

僕らはそんな日々の中、非常にだれていた。



彼女が僕の部屋の漫画を読んでいた。

「いつも思う事があるんだよ。」

静かに読んでるかと思ったら急に語りかけてきた。

どうやら読み終わったらしい。

「ほのぼの系の漫画の終わりって、難しいんだよ。」

・・・頭の中で変換してみる。

「つまり、まったりとしてる漫画の最後は作りにくいと?」

「うん、そんな感じ。」

言いたいことは雰囲気で察することが出来るのだが、

詳しく何が言いたいのかまではわからなかった。

「んー・・・。」

だれてる日々が続いてるからか把握力が落ちてるのかもしれない。

理解力ではない、把握力だ。違いは無いが。

「そんな事を某まんが大王で見て思ったのですよ。」

「あれは卒業っていう区切りがあったからね。」

「じゃあ、似たようなノリで社会人達の話だったらどうすればいいよ?」

僕に聞かれてもなぁ・・・。

「うん、いや答えがほしかったわけじゃないんだよ。」

そして彼女は一回転して(する必要があるのか?)

「まったりとしてる物語なんて沢山転がってるんだよ。ここにもどこにでも。」

とおっしゃった。

「私達の出会いも、あの子の登場も、すべてまったりだよ・・・。」

若干いつもより夢見つつな瞳でそう告げる。

「いつになったらハッピーフィナーレが訪れるのかな・・・?」

・・・。

若干飛んでいる彼女に対して何を言えばいいのかわからなかったが

「ラブコメだったらフィナーレは簡単じゃないのか?」

そんな繋ぎの言葉を言ったところ

「よくわかってるんだよ。」

親指を立てられた。嬉しそうだった。

まったく、よくわからないものだ。

「で、結局何が言いたいか忘れちゃったよ。」

話題逸れましたしね。


[戻る]