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頭には跳ねっ毛。髪は肩に届くくらいの黒セミロング。
目はたれ目で二重、まぁ可愛い少女がいた。
諸事情により、彼女との関係は省くが
まぁご自由に邪推してくれて構わない。
「なんということだあああああああああ!」
叫びが3行という隔たりさえ飛び越える程に
僕は驚愕していた。
ゲームのデータが消えたとか、屋上に閉じ込められたとか
そんな二番煎じ的な驚きではない。
後者だと三番煎じだが、とりあえずそれ以上だ。
それは、机の上に置いてあった手紙。
僕宛に当てられた手紙が発端の始まりだった。
「出番が少ないので帰ります。By おねえちゃんのいもうと♪」
なんだこりゃ!?
「というのは冗談で、しばらく友達の家に泊まりいってまーす♪」
続きがあった。安堵する。
とりあえずおねえちゃんのいもうと、って何やねん。
一番突っ込みやすいところから突っ込む事にした。
よし、突っ込み終了。
だが見ると更に続きがあった。
「代わりにおねえちゃんを置いておきます。」
・・・何ですと?
「食べる際はちゃんと熱を通してチンしてください。」
!?!?
「食べ残しは無いようにお願いします。」
何が!?
「勿論、晩御飯の事です、冷蔵庫に入れてあります。」
「おいっ!」
思わず手紙に突っ込みを入れてしまった。
「晩御飯じゃないほうが良かったならファイトですね♪」
・・・それで手紙は終了していた。
とりあえずいるのかいないのかわからない両親に携帯で連絡を取る。
「ははは、既に聞いてるよ。知ってるよ。」
さいですか。
「そして既に知らなかった蚊帳の外のお前は、既知外というんだ。ははは。」
何だか上手い事を言われて腹が立ったので電話を切った。
ちくしょう・・・。何だこのストレスは。
もうどうでもよくなってきた僕は自分の部屋に向かった。
のだが
部屋は物が散らばりまるで強盗にでも遭ったかのような惨状だった。
「なんということだあああああああああ!」
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