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頭には跳ねっ毛。髪は肩に届くくらいの黒セミロング。

目はたれ目で二重、まぁ可愛い少女がいた。

諸事情により、彼女との関係は省くが

まぁご自由に邪推してくれて構わない。

「なんということだあああああああああ!」



同じネタを二連続で使用するのは既に知識の墓場だと思う。

だが時系列的に仕方が無い現実というのもあるので了承していただきたい。

「なんということだあああああああああ!」

思わず二回も言ってしまった。

何故僕の部屋がこんなに荒らされているのか!

「なんということだあああああああああ!」

思わず三回も言ってしまった。もういいよ。

自分に突っ込みを入れて落ち着く。

しかし酷い現状である。足の踏み場どころか先にすら進めない。

机は一人立ちしてるわ観葉植物はマダツボミの如くグラグラしてるわ

本棚はゾーンディフェンスに定評があるらしく威張っている。

あぁ訳がわからないがそれほどに酷い、進めない。

「ない・・・ないよ・・・。」

中から声が聞こえてきた。

・・・これが噂のポルターガイスト!

ちなみに最近までポスターガイストと思い込んでいたのは内緒だ。

「絶対あるはずだよ・・・ここに。」

どうやら話の内容を察するに地縛霊の類のようだ。

「どーまんせーまんどーまんせーまん!」

自分が知ってる精一杯のお経を唱えてみた。

「レッツゴッ!!・・・あゎっ!」

どうやらノリに合わせて踊ったら転んだようだ。

お経の効果は抜群のようだ。流石。

というか、どう考えても中にいるのは彼女だった。

「なんでーー中にーーーいるんだーーー!」

部屋の入り口から叫んでみる。

「今日からお世話になるんだよ!」

そういえば手紙にそう書いてあったような。

「で、何で部屋を荒らしてるんだ。」

「え・・・探し物・・・。」

声が小さくなり聞き取りにくい。

「何を探してるんだ・・・?」

「あ・・・あー、あれだよ。頭のネジ?」

それは大変だな。

って納得するか。

「まぁいいや、終わったら片付けといてね・・・。」

もう何だか責める気とかいろいろなくした僕は

居間で寝ることにした。



「と・・・といれ・・・出られないよ!?」

その頃彼女が非常にピンチになってたのは知る由も無かった。



「で、結局何を探していたのですか?」

律儀な口調で聞いてあげる。

律儀な口調って、自分で言ってて何だろう。

「いやいや、これから一緒に暮らすということになってですよ」

彼女が答える。

「相方の部屋に異次元の入り口があるのがデフォルトだよ!」

訳がわからなかった。

そんな彼女の後ろ手に何か隠し持ってるのはわかったが、

まぁ追求しないでおこう。



また、それとは別の話だが

その事件の後、僕のプライベートな部分の本とかが

若干少なくなってる気がしたようなしないような。


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