38

頭には跳ねっ毛。髪は肩に届くくらいの黒セミロング。

目はたれ目で二重、まぁ可愛い少女がいた。

諸事情により、彼女との関係は省くが

まぁご自由に邪推してくれて構わない。

僕も彼女も雨は嫌いだ。



「雨っていいですよねぇ♪」

日常会話でどうやったらそんな台詞を吐く場面があるのかはさておき

某妹さんが僕にそう言った。

「いや・・・あんまり。」

「ぬれるよ、よくないよ。」

やる気のない僕の返事とゲームに集中してそっけない彼女の返事。

「そっけないです。そうですか、ぐれます♪」

ぜんぜんこわくなかった!



「あの子も変わってるよ。」

妹さんが出て行ってから彼女がそう言った。

発言者としてあまりに適切じゃないが

発言の内容自体は同意すべきものだったのでスルー。

「弟も妹も、年上の姿を見て成長するって言うよ。」

若干の皮肉と警告をこめてみた。我ながら嫌らしい。

「と、いうことはだよ・・・。」

彼女が気づいたようだ。

「私がいないともっと大変だったんだよ。」

泣きたくなった。



「結局のところ、一番変なのは誰かという話になる。

彼女は変だ。それは間違いないが

真面目なときもある。それくらい僕にだってわかるのだ。

彼女の妹もベクトルの違う変さを持っている。

でも、それはそれでその人としての特徴なのではないか。

結局のところ、変な二人に付き合ってる僕が一番変なのである。」

「言っておくけど、僕はそんな事言わないからね。」

「残念だよ。」



しかし、雨の日にはこのように家の中でどうでもいい会話をしたりする。

僕はこのようなだらけた雰囲気が嫌いではない。

となると、僕は結局のところ、雨が好きなんだろうな。


[戻る]