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頭には跳ねっ毛。髪は肩に届くくらいの黒セミロング。

目にやる気が無い、でも可愛い少女がいた。

諸事情により、彼女との関係は省くが

まぁご自由に邪推してくれて構わない。

最近、彼女の調子が悪い。というか、まぁ・・・



いつもの通学途中、いつもの雰囲気。

「ヨイムネ。」

彼女が急に呟いた。意味がわからない。

良い胸らしい、横目でちらりと見る、

が平均だと思っても言わないことにする。

最近頭がおかしくなってしまったのではないかと思う。

いや、それは以前からか・・・。

目も何だかとろんってしてるし。

「ヨウコイ。」

「いや、わからないから・・・。」

何故か知らないけれど僕を急かす彼女。

その雰囲気は一刻も早く苦痛から解放されたいかのような、

そういう急ぎ足を彷彿させる。

「学校行って何がしたいの・・・?」

「ヨルネ。」

夜ね。

そうか、夜なのか。



さっぱりわからない。



そしてその日の帰り道。

「早く帰ろうよ、もう暗いよ。」

結局彼女が何が言いたいかわからなかったが

気が付けばマトモな口調に戻っていた。

「ちょっと最近遅くまで遊んでるから・・・。」

「夜更かしは程々にね。」

他愛も無い話をしながら歩く。

大分遅い時間だが、家の前まで来て分かれた。

「おやすみ・・・。」

「ミスヤオ・・・。」

この時にわかった。

彼女は眠くなると言葉が裏返るのだろうと。


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