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頭には跳ねっ毛。髪は肩に届くくらいの黒セミロング。

目はたれ目で二重、まぁ可愛い少女がいた。

諸事情により、彼女との関係は省くが

まぁご自由に邪推してくれて構わない。

身体測定の日の朝。



かといって、アニメ的に狙ったような朝食抜きの少女がいるわけでもなく

むしろ夏バテ対策だと言ってざるそばを要求する彼女がいた。

「そこまで言ってないよ!そばって言っただけだよ!……ざるに入った」

もはやスルーしてあげるのも優しさなんじゃないかと思い始めてきたよ。

「なんで僕が調理台に立っているんだろう……」

言わずもがな、頼まれて断りきれなかっただけである。



「でも朝から麺類なんて、何か言われない?」

皿を提供しながら、そんな事を聞いてみた。

「朝からパンのほうが外道だよ、ジャパニーズなのに」

それなら日本語で言ってやれと思う。

そして前にもこんなやりとりがあった気がする。

きっと日本が好きなんだろう。そういう事にしておこう。

「ネギと生姜は欠かせないよ、それとゴマ!」

注文の多い料理店、という言葉があった気がする。

「じゃあ今日の身体測定にひっかからない程度の量でね……」

ある程度の体裁を気にして管理してあげる。

栄養を気にする給食のおばちゃん達は、こうやって生活してると

偉大だったんだなぁ、としみじみ実感してしまう。

この歳でそんな事を悟れる僕はある意味幸せなのだろう。

そうとでも思わないとやってられない。はい。





その日の結果、何故か彼女より僕のほうが痩せていた。

そう言えば朝ごはん作ってあげたけど、自分の分を食べてなかったなぁ。



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