門出

教科書ではない衣服などを積めて軽くなった鞄、
物がなくなっていつもより広く見える部屋、
私は今日ここを後にする。

玄関で時間をかけて靴を履いた。
珍しくしっかりと紐を結ぶほどにゆっくりと。

外へと続く扉の前に立ち、もう一度部屋を振り返る。
そして、一礼するのだ
いままで、ありがとうございました、と。
それと、行ってきます。

永遠に帰ってはこないこの場所を背に私は光がまぶしい世界へと扉を開けた。
ふと、行ってらっしゃい、そう聞こえた気がした



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